2020年、大学入試はどうなっているのでしょうか?

2020年は大学入試が大きく変わる年です。
その時に大学に進むみなさんをしっかりサポートするのが大阪女学院スキーム2020です。

現在の大学入試は、「大学入試センター試験」、国公立大学が実施する「二次試験」、そして私立大学の「一般試験」と呼ばれる筆記試験を受験生に課し、その評価で入学が決まります。2020年には、これらの試験が廃され、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」という新しい試験に変わります。各大学は、この試験結果に加えて、小論文やプレゼンテーション、集団討論、面接などを個別に受験生に課して、その総合点で入学の可否を判断するのです。この変革に対応したカリキュラムで、中学1年から学習できるのが、大阪女学院です。

現行・大学入試センター試験・国公立二次試験・私立大学一般入試・推薦入試・AO入試 2020年以降・高等学校基礎学力テスト(仮称)・大学入試希望者学力評価テスト(仮称)・面接・プレゼンテーション・グループディスカッションなど

社会が必要とする人材を育成する改革

文部科学省が提唱したこの大学入試改革は、これから必要とされる人材を育成するため、高等学校及び大学における教育改革の一環として提言されており、大学入試単独の問題ではありません。現代社会は世界規模で大きな構造変化を経験しているところです。個人にとっても、集団にとっても、将来予測が困難な時代が到来しました。そんな中、必要とされるのは「変化の中で自ら課題を設定し、他者と協働しつつ、答えのない問題に挑戦して解を見いだし、新たな価値を創造できる人材」であると文部科学省は訴えています。しかし、大阪女学院は従来から、5つの教育コラム(キリスト教・女子教育・国際理解・英語・サイエンス)により、課題設定と達成、協力、問題解決型思考力の育成に取り組んできました。いわば、今文部科学省が提唱する教育内容を先取りしてきたと言えます。これら大阪女学院の従来の取り組みを、2020年改革に向けて進めていくことで、大阪女学院で学ぶ人は、自然に大学入試改革にも適応した学習者になっていきます。

教科別基礎学力の定着

これまでの大学入試では、知識や演習経験が学力として測定されてきました。暗記に基づく知識と、その知識を使って問題を解いていく応用力を数値化していたのです。2020年の大学入試制度改革では、それらの知識や応用力を問う問題がなくなり、全く新しい試験で人間力のようなものが見られるのでは、と誤解されていることがあります。暗記による知識や、演習経験で得られる応用力は、センター試験や二次試験がなくなっても、これまで通り測定されます。基礎学力とはそのような力であり、確実な基礎学力が重要であるという認識は変わりません。これまでセンター試験や二次試験で問われてきた能力は、新しい試験でも同様に問われます。それが高等学校基礎学力テスト(仮称)や大学入学希望者学力評価テスト(仮称)に含まれるのです。新しい入試では、その基礎学力に加えて、思考力・判断力・表現力を問う問題が加わるということです。創立130年を超える大阪女学院は、学習者の基礎学力の定着と伸張を図るカリキュラムを、無数のイノベーション(変化・改革)を通じて探求してきました。その結果、基礎学力を確実に身につけ、その上に発展的な課題を克服できる多くの人材を輩出しています。大阪女学院の6年一貫カリキュラムは、単なる学年前倒しの先取り授業ではなく、高等学校の指導内容から、中学で実施した方が効果的である単元を中学の内容に加える形で実施しています。こうすることで、中学から高校に進学するときに、内容が急に難しくなる感覚を持つことなく、その年齢に最適の内容を学習者視点に立って編成しているのです。

教科横断型学力の向上

大学入試改革の大きな目玉は、教科別の学力測定に加えて、教科の枠をこえた知識や技能、意欲、適性を測定する問題が組み込まれるということです。教科の壁や、文系・理系などの区分を超えた力の育成が求められます。この力は、幅広い総合的な知識を持つことで、高度な専門性を磨いていく素地を作り上げます。この基礎を作るには、多様な知識に触れ、幅広いコミュニケーションを体験することが大切です。つまりどれだけ多様な価値観と接点を持つかということが鍵を握るのです。そのため大阪女学院は中学段階でコース分けを行っておりません。中学段階での学びは、全員「リベラル・アーツ」コースと考えています。リベラル・アーツとは学術文明の黎明期である古代ギリシャ・ローマ時代から現代に伝わる学問領域で、言語、数学、芸術、体育など、学問や技能それぞれの枠組みをこえて、全ての領域から自由に能力を養うことを目指すものです。この発想は、その後欧米をはじめとする各地域の教育現場に引き継がれ、日本でも大学入試改革で導入が提唱されました。大阪女学院は従来から、中学でのコース分けを実施せず、全員リベラル・アーツの精神に根ざして、多様な価値観、学力、文化を有する生徒が一堂に会して学ぶ場を大切にしてきました。このことが、教科横断型学力の伸張に役立っていると考えられます。主要学習教科のみならず全教科を横断的に学ぶことが必須なのです。(ただし、学力差のある環境が学習に適さない科目については、習熟度に応じた編成で授業を実施しています。)

大阪女学院スキーム2020の目指すもの

大阪女学院スキーム2020は、2020年に実行される大学入試改革に向け、これまで大阪女学院が取り組んできた教育内容をどのように方向付け、変革していくかを明確にする計画です。その到達目標は大阪女学院の5つの教育コラムに収斂されます。

大阪女学院スキーム2020を実現する5つの教育コラム

1. キリスト教

グローバリゼーションが進み、より深い実践的な国際理解が求められるとき、キリスト教の知識や価値観の理解は不可欠な要素です。大阪女学院のキリスト教教育は、単に異文化理解のためのツールとしてではなく、現実に存在する様々な社会問題について考え、それらに自立した個人として向き合っていくことを求めます。毎日の礼拝、聖書の授業、修養会などのキリスト教行事において、無数の問題提起がなされ、それらを受け止め、最終的に自分の意見を作文のかたちで表出する作業を繰り返します。これは主体的に課題を設定し解決法を見出していく能動的学習(アクティブ・ラーニング)の実践です。この力が大学入試改革で測定される資質を育みます。

2. 女子教育

男女で発達に大きな差が生じる中学・高等学校の成長期は、男女別学は、落ち着いて学び成果を上げるためにとても良い環境であると言われています。また、社会には今も男女の性別役割意識があり、女性が個人の能力や可能性に応じた学びや生き方を自由に選ぶことを制限しています。大阪女学院の女子教育は、自分自身を一人の人格として、与えられた個性と能力を発見し、あらゆる分野の可能性に挑戦する能力を育みます。世界で活躍する女性リーダーに、女子校出身者の割合が高いことも、これらの反映です。大学入試改革で問われる学力や技能の習得が、伸びやかな環境での意欲的な学びの中で実現します。明治時代の初め、日本では、女子教育のための学校が多数設立され、その多くがいわゆる「良妻賢母」型女性の育成を目指していました。しかし、大阪女学院は創設当初から社会に貢献する女性の育成を目指してきたのです。130余年を経た今も、その精神は変わりません。大阪女学院の女子教育は、世界に向かって開かれた目を持ち、女性ならではのしなやかなリーダーシップで、新しい社会を創造する女性を育む教育です。卒業生は様々な分野で、成果を上げて活躍しています。

3. 国際理解教育

キリスト教を基盤とした知性と価値観に精通することは、国際理解教育の根底を支えます。このバックボーンがなければ、国際理解教育は表層的になってしまいがちです。精神性や人間性に及ぶグローバル・コミュニケーションにはキリスト教理解が大きな助けとなります。大阪女学院の国際理解教育は、真摯で実践的な取り組みです。この深い理解に基づいて、語学力、コミュニケーション能力を付加し、異文化に対する適正な理解と共感を育て、同時に自身のアイデンティティーを確立した女性が育成されます。

4. 英語教育

大学入試改革では、英語力評価と入学者選抜において、英語の資格・検定試験の活用を促進することが謳われています。英語を「読む」ことと「聴く」ことを主眼に測定されてきたこれまでの試験から、さらに「話す」ことや「書く」ことについての能力も測定の対象となります。大阪女学院の英語教育は、伝統的に「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に開発して、コミュニケーション運用能力を高める実践をしてきました。また、一般の資格・検定試験に適応できる英語力の育成にも力を注ぎ、特にGTEC for Studentsについては中学から受験し、そこで測定される能力の伸張を体感します。その言語的感性は、高校で受験するTOEICやGTEC CBTに引き継がれていきます。

5. サイエンス

自然科学領域における知識と学力は、実験を多く取り入れる体験学習をベースとした理科教育、少人数制できめ細かく基礎学力の定着を図る中学での数学教育によって効果的に構築されます。特に理科の実験環境は卓越しており、中高で5つの理科実験室を有し、生徒は2種類の顕微鏡(立体顕微鏡と光学顕微鏡)を一人に一台ずつ使える環境で実験に臨むことができます。これによって自然科学に対する生徒の関心、学習意欲を開拓しています。

大阪女学院スキーム2020で備える新しい大学入試

2020年に実施される大学入試改革では、センター試験や二次試験が廃され、高等学校基礎学力テスト(仮称)と大学入学希望者学力評価テスト(仮称)、各大学が実施する個別選抜試験が新たに導入されます。大阪女学院スキーム2020では、これらの試験に対応して、次のような教育対策を進めていきます。

1. 試験時期が早まることへの対応

これまでの大学入試では、センター試験が高校3年生の1月に実施され、その後に各大学が実施する一般入試や国公立大学の二次試験が行われてきました。2020年からは、入学選抜の判断材料となる到達度テストがもっと早い時期から複数回課されることになります。特に、高校での基礎学力を測定する試験は、高校2年の時点から実施されます。高校2年生の達成度テストで高い得点を望める基礎学力の定着が求められるのです。そのため大阪女学院では、6年一貫カリキュラムを効果的に活用し、中学1~3年はリベラル・アーツ的学習体制で基礎力を徹底的に身につけ、中学3年の時点で、自分の特性に応じて、普通科文系、普通科理系、英語科のコースを選択し、入学4年目から専門性にあわせた教科学力の伸張を目指します。この学習時程で、1回目の高等学校基礎学力テスト(仮称)に対応できる能力を育成します。教科・科目に関する知識や演習経験値に偏ったこれまでの大学入試はなくなっても、基礎学力の領域については、従来型の演習と知識の蓄積がこれまで通り大きな意義を持ちます。

2. 思考力・判断力・表現力の育成

従来型の演習と知識の蓄積に基づく能力に加えて判定されるのが、「知識・技能を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」です。大阪女学院ではこの能力の開拓と育成に、5つの教育コラムを通じて積極的に取り組んできました。キリスト教の価値基準からの問題提起、人権教育・平和学習の深化した実践の中で、意見の文章化とその発表を繰り返します。また、中学1年の段階から取り組む弁論作成と発表体験から、求められる思考力・判断力が養成されます。さらにアクティブコミュニケーションという授業では、英語のネイティヴスピーカー教員により、プレゼンテーション能力を高めるための学習が展開されています。そしてこれら今までの取り組みに加えて、新たに入学する生徒対象のカリキュラムとして、中学1年の時点で「論理エンジン※」が導入されます。「論理エンジン」の授業では論旨を的確につかむ読解力の基礎や基本を身につけ、論理的思考力を確かなものにすることを目指します。さらに中学3年では、その論理的思考力を駆使して「探究型課題研究」に取り組み、論理力の実践を図ります。
※論理エンジン:出口 汪氏(水王舎会長、予備校講師、元大阪女学院中学校・高等学校 非常勤講師)が開発した文章読解力と論理的思考力を身につけることが意図された日本語教材

3. 資格・検定試験に対応する英語力の育成

これまでの大学入試で問われた英語は、読解を中心とした出題でした。リーディング、ライティング、リスニングの3つの技能を網羅することにはなっていましたが、リーディングに偏重した学習が評価される内容でした。新制度では、スピーキングも加えた4技能全てが測定されることになります。スピーキングが取り入れられるということは、試験はコンピューターに入力する方式(CBT)になります。これは、スピーキングを含む公認の各種検定試験(TOEFLやGTEC CBTなど)で代用されることにもなります。大阪女学院の英語教育では、言語材料の導入(Input)、その定着(Intake)、そして表出(Output)の3つの学習プロセスを繰り返し授業で体験できるように設計されており、学習者のコミュニケーション運用能力を総合的に上げていくことができています。4技能全てにおいて、卓越した能力を、強い学習負荷を感じることなく身につけていきます。さらに、スピーキングを含めた試験への対応として、GTEC CBTで高得点を獲得できるよう、各技能に特化した授業が、普通科でも英語科でも用意されています。また、キーボードでの入力をスムーズにして取り掛かる時間を短縮させるため、タイピングの講習も行います。言語運用能力を「学力」ではなく「技能」ととらえ、中学1年の段階からネイティヴスピーカー教員によるスピーキングテストを実施、中学では学期ごとの運用能力到達度を図る学校独自の検定試験を実施しています。このようにして定着度を確認しながら、コミュニケーションの「技量」をあげていく大阪女学院の英語教育は、新たに導入される英語試験に対応して余りある能力を育成します。

4. グローバルな進路を目指す生徒の支援

高等学校卒業から、直接海外の大学や専門学校に進学する生徒が増えています。例年、10名程度の卒業生が、海外の大学や専門学校に直接入学していきます。大阪女学院のキリスト教教育、国際理解教育、人権学習、英語教育が総体としてグローバルな進路を目指す生徒の希望をかなえてきました。つまり大阪女学院の5つの教育コラムが、彼女たちの夢の実現を大きく支援してきたのです。大阪女学院生にとってグローバルな進路は特別なものではありません。大阪女学院の5つの教育コラムがその基盤となっているからです。大阪女学院は、そんな進路を支援する体制をさらに発展させていきます。

以上が大阪女学院スキーム2020の概要です。これまで大阪女学院が、すでに取り組んできたこと、またこれから取り組む教育改革に限定して紹介していますが、大阪女学院スキーム2020はこれからさらに発展し、改革を続けてまいります。その詳細は、随時確定し次第発信してまいります。大阪女学院は、2020年に実現する新しい大学入試制度に向け、すでに多くの実践的取り組みを始めている学校です。